介護・福祉事業者向け業務管理システム「福祉の森」: コラム

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第8回 母の教える究極の包括ケア

西洋薬でも治しにくい傾眠傾向が治った。

グループホームで生活していた母を、「もうあと2、3か月」と感じ、家に引き取った時はそれは切なかったです。なにがというと、ほとんど目を開けないのです。つい半年前は、体は弱ってきているとはいえ、言葉がほとんど出なくなっているとはいえ、目はさましていたのです。今は、起こすとその瞬間は目を開くのですが、すぐうなだれて眠ってしまいます。そうなると、「拒否」や「暴力」のあったあの頃がなつかしい、食事の時、ちょっと気にいらないことがあると「ぺ」とご飯を床に吐き出すことができたあの頃が良かったなあと思うようになりました。

「意欲低下症状」は認知症を疑う初期症状だと理解していましたが、そんな簡単なものではありません。DBDスケール(Dementia Behavior Disturbance Scale)とは認知症の障害程度を測る指標です。その中に「昼間、寝てばかりいる」という一項があります。自分はこれまで、なんどこの質問項目を家族に聞いていたことでしょう。「ああ、でもこういうことだったのか」と、「傾眠傾向の母」を前に毎日胸の痛む思いでした。

刺激を与えるため外へ連れ出してもさほどの効果はみられません。認知症の専門の先生に相談したところ「脳委縮が進み、前頭葉の脳血流が低下したせいでしょう。」「先生、良い薬がありますか?」「アリセプトを10ミリに増やしたら。でも食欲低下がくるかもしれません。サーミオンでもいいかな、でもたいして効かないかも知れません。」それまでにもたくさん薬を飲んでいた母にこれ以上効くか効かないかわからない薬を飲ませるのはちょっとやめてみよう。でも、なんとか方法があるかもしれない。いままで習った中医学で漢方、鍼灸でもなんとか方法がないものか。」そう考え、母の証にあった漢方を飲ませてみました。皆さん、なにが起きたと思います?

母がパッチリ目をさましたのです。周りの人々もビックリ。一日の6,7割開眼していられるようになりました。でも、もっとどうにかしたい、と思っていたところ、中国生まれで太極拳、気功を行い現在日本の大学でリハビリの教鞭をとっている方が、母にあった中国茶を持ってきてくれたのです。さっそく飲ませてみました。皆さん、何が起きたと思います?

母がほとんど一日中、目をさまして、以前と同じような生活ができるようになったのです。うそではありません。認知症の治療は西洋医学だけでなく中国伝統医学も含め、まだまだ我々医師がわかっていない治療法があるんだと感じたのです。母は、わたくしの「認知症の母の重介護」を通し「将来の認知症の治療薬の可能性」をわたくしに教えてくれたのです。

医療法人ゆりかご  山田思鶴



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