介護・福祉事業者向け業務管理システム「福祉の森」: コラム

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第3回 医学的側面からみた認知症ケアへの気づき

私は介護老人保健施設の入所、デイ・ケア、在宅介護支援センター、グループホーム、ケアハウス、有料老人ホーム、社会福祉協議会など医師の立場で認知症ケアにかかわらせていただいておりました。また厚生科学研究班の班員として、高齢者ケアおよび認知症ケアに対し、現場から発想する効果的ケアの実践の立場で医学的に検証をおこなってまいりました。高齢者ケア、認知症ケアは、疾患管理、ADL(日常的生活活動といい、食事、排泄、入浴、整容に代表されるものをいいます。)やIADL(手段的日常生活活動といい、コミュニケーション、外出、薬の管理などの生活面の活動をいいます。)の身体的および生活活動面、精神的支援、その他社会参加活動、おとしよりの生き甲斐も含めての哲学的支援から構成される包括的支援であることが望ましいと前回お話しさせていただきました。

これらの活動に関わる方たちは、家族をはじめとして、医師、看護師、介護士、ヘルパー、リハビリ専門職、栄養士、薬剤師、行政の皆様、地域をささえる民生委員さんやその他たくさんの方たちが日夜、奮闘されておられるのだろうと思います。私自身もその一人には入ることができるのだろうと思っておりましたが、しかし本当に高齢者のQOLの維持、向上に資するケアをさせていただいているのか、一生懸命やっていると自己満足でいるところがないのか、あるとすればどの点をどのように改善するのか、それをどのように判断し実行していくのかが、医師として責任者としての課題だと思って長く悩んでおりました。

そんなとき、いまから12年前になりますが、老年医学に総合機能評価の方法があるのを知りました。この評価法は現在、福祉面でも大変な勢いで使われ始めています。高齢者を大きく分けて身体、精神、環境にわけて評価表を主に使い評価し包括ケアを提供していく手法です。わたくしの所属する施設では、Barthel Index,HDS-R,MMSE,GDS-15,DBD,在宅ではRoutonのIADLの評価を使ってケアの効果、妥当性の検討を行うようにしました。(詳しい事をお知りになりたい方は、高齢者総合機能評価に関する本が何冊か出版されていますので参照してください。)

使い始めてわかったことは、自分たちのケアでおとしよりが、寝たきりの方たちも含めほとんどの方の身体機能、精神機能、意欲が施設のケアで良くなっていっているということで、自分たちにとっては大変な驚きでした。評価を続けていくうちに、治らないと言われていた認知症高齢者の中核症状である認知機能を改善できることに気がつきました。なぜそこまで良くなるのか突き詰めていくうちに、「認知リハビリテーション」がありうること、その方法論が構築できることに気がついたのです。そこから出発して、介護保険で認知リハビリテーションに加算がつく活動を、全国老人保健施設協会の学術委員会でさせていただきました。

次回は「認知リハビリテーション」の話をさせていただきます。

社団法人 全国介護老人保健施設協会 理事 山田思鶴



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