介護・福祉事業者向け業務管理システム「福祉の森」: コラム

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第2回 認知症ケアの理解を深めるために

認知症とは「いったん正常に発達した知的機能が後天的な脳の器質性障害により持続的に低下し、日常生活が営めなくなっている状態」と定義されています。したがって「認知症」とは病状の全体を示すのであって、このなかにはアルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などいろいろなタイプの認知症が含まれます。またうつ病、脳腫瘍、慢性硬膜下血種、内分泌・代謝疾患でも同様な症状が出ますので、治る可能性のある病気は検査でよく調べて、早い時期に治療を開始しなければなりません。また治らないといわれてきた前述の認知症も早期診断・早期治療により進行を遅くできることもわかってきています。

認知症の症状の本質である「中核症状」は、記憶障害や、計画を立ててきちんと行動できない実行機能障害、失語、失認、失行(目的の動作を行えない)などを指し、中核症状に付随する症状には不眠、興奮、妄想、焦燥、徘徊、自発性の低下、うつ症状などあげられます。私達が認知症の方たちに関わらせていただく時、それが「治療」や「ケア」と呼ばれるものですが、それらの関わりが「良かった、効果があった」と言えるのは、中核症状、随伴症状のいずれかひとつでも良くなればそう言ってよいのではないでしょうか。そしてご本人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が向上し本人、ご家族が幸せだと感じて暮らせることを最終目標とすべきだと思います。

ところでQOLとは具体的にどのようなことを言うのでしょうか。お年寄りの体や精神は青年、壮年期の人たちとは色々な面で違っていますので、お年寄りを専門とした「老年医学」と呼ばれる学問があります。QOLでは認知症の方たちに対し、本人の望む生活が送れるように配慮し、その人らしさを大切にするケアを「パーソンセンタードケア」と呼んでいます。以上を分かりやすく示したものが図1です。QOLのピラミッドの最上階が哲学、心理学であり「人生をいかに生きるか」ということに集約されるのだと考えても良いと思われます。こうしたことを考えると、結局私たち治療やケアにあたる者がまず自分の生き方を問われているのだなあとつくづくと感じるこの頃です。

社団法人 全国介護老人保健施設協会 理事 山田思鶴

  図1

QOLイメージ図



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